国籍、肩書き、日本での態度、考え方、これらを保ち続けたまま線を引いて、その外側から眺めていたのでは何も始まらない。まず「何者でもない自分になる」。それがソーシャルトラベルの始まり。心を開き、縛られていた常識を捨て、心地いい領域から離れ、現地社会の中へ滑り込んでいこう。
日本みたいに空気を読んでいないで、「KY」くらいでちょうどいい。質問や参加、お手伝い、何でも思いついたことを行動に移してみよう。最初は少し勇気がいる。思うように受け入れてもらえなくてがっかりすることもある。それでもいい。行動しなくては分からない気づき、悩み、葛藤、喜びがある。
ソーシャルトラベルの根幹は、何と言っても「人」。現地に住む人々との出会い、触れあい、語らいだ。少し話して写真を撮っただけでは生まれない、共に行動をすることで繋がった一生ものの友情は、国境や文化、宗教、言葉の壁を超える。その体験が、自分の中の世界を大きく広げてくれる。
感情や思いつきがきっかけでも、人の中に飛び込むことで、ガイドブックよりもずっと深く現地を知り、歴史や文化を肌感覚で学ぶことができる。旅先ならではの5感6感を総動員して得る刺激、行動を通して生まれる悔しさや感動は、成長だけでなく新しい自分の再発見へとつながっていく。